一橋大学 後期・数学IIIを含む 数学記述模試 第043回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(17点)

複素数zが \(|z-6|=2|z+6|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(5点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(5点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(7点)


第2問 対数方程式の存在条件(17点)

\(\log_2 x+\log_2(6-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(5点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(5点)

(3)\(a=\log_2 \frac{27}{4}\) のとき、すべての解を求めなさい。(7点)


第3問 停止する試行と期待値の連立(17点)

表の確率が \(1/6\)、裏の確率が \(5/6\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(5点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(5点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(7点)


第4問 指数関数の最大値と積分の極限(17点)

\(x\ge0\) で \(f(x)=xe^{-6x}\) とする。

(1)増減を調べ、最大値とそれをとる横座標を求めなさい。(5点)

(2)\(a>0\) として \(\int_0^a f(x)\,dx\) を求めなさい。(5点)

(3)前問の定積分で上端を限りなく大きくしたときの極限値を求めなさい。(7点)


第5問 逆数で線形化し差を足す(16点)

\[ a_1=1/6,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(4点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(4点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(8点)


第6問 線分上の点と内積・最大最小(16点)

\(O(0,0),B(12,0),C(0,6)\) とする。Pは線分BC上を動く。

(1)Pを1つの実数パラメータで表し、その範囲を示しなさい。(4点)

(2)距離OPが最小になる点と最小距離を求めなさい。垂直性も確認しなさい。(4点)

(3)Pから2つの座標軸に垂線を下ろして作る長方形の面積の最大値を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-6)^2+y^2=4((x+6)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+10)^2+y^2=64} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

原点から中心までの距離は \(30/3\)、半径は \(24/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=18\ (z=-18),\quad\min|z|=2\ (z=-2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-6w|=2|1+6w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{5}{18})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{4}{81}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<6\)。\(x(6-x)=36/4-(x-6/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,36/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<6,\quad a\le\log_2 9} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 9:2\text{個};\quad a=\log_2 9:1\text{個};\quad a>\log_2 9:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(6-x)=\frac{27}{4}\) を解く。2つの解の和は \(6\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=\frac{3}{2},\ \frac{9}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{36},\quad P(T=3)=\frac{5}{216}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/6,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{42} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(6\) 回なので合計2回の表までの平均は \(12\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=12,\quad\text{差}=30} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 指数関数の最大値と積分の極限

(1)

\(f'(x)=e^{-6x}(1-6x)\)。指数因子は正なので \(x=1/6\) の前は増加、後は減少。

\[ \boxed{x=\frac1{6},\quad\max f=\frac1{6e}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

部分積分する。原始関数は \(-\frac{6x+1}{36}e^{-6x}\) であり、微分でも確認できる。

\[ \boxed{\frac{1-(6a+1)e^{-6a}}{36}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(e^{-6a}\) と \(ae^{-6a}\) はともに0に収束する。前問の式で残る定数項をとる。

\[ \boxed{\frac{1}{36}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+5}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{6}-\frac1{n+6}=\frac{n}{6(n+6)}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+6}{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 線分上の点と内積・最大最小

(1)

\(P=(1-t)B+tC\) とおく。線分上なので \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{P=(12(1-t),6t),\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\[ OP^2=36(5t^2-8t+4)=536(t-4/5)^2+436/5 \]

。最小のtは区間内にあり、\(\overrightarrow{BC}=(-12,6)\) とOPの内積は0。

\[ \boxed{P=(\frac{12}{5},\frac{24}{5}),\quad\min OP=\frac{12}{5}\sqrt{5}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

長方形の面積は \(72t(1-t)=18-72(t-1/2)^2\)。端点では面積0、内部の頂点で最大。

\[ \boxed{\max S=18,\quad P=(6,3)} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。