中央大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第007回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 対数の評価と部分積分(17点)

自然対数を用いる。\(1\le x\le9\) において \(f(x)=(\log x)/x\) を考える。

(1)すべての \(x>0\) で \(\log x\le x-1\) を示し、等号条件を述べなさい。(5点)

(2)定義域内での関数の最大値と、それをとる値を求めなさい。(5点)

(3)

\[ \int_1^{9}\frac{\log x}{x^2}\,dx \]

を求めなさい。(7点)


第2問 合同な2円の交点と共通弦(17点)

中心O(0,0)、A(9,0)、半径がともに9の2円を考える。上側の交点をP、下側をQとする。

(1)P,Qの座標を求めなさい。(5点)

(2)共通弦PQの長さを求めなさい。(5点)

(3)三角形OAPの面積を求めなさい。(7点)


第3問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=10,\ a_{n+2}=10a_{n+1}-9a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第4問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(17点)

複素数zが \(|z-9|=2|z+9|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(5点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(5点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(7点)


第5問 完全順列の漸化式と固定点(16点)

\(9\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(4点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(4点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)


第6問 二次関数の頂点・解・不等式(16点)

実数全体で \(f(x)=x^2-18x+72\) を考える。

(1)平方完成して最小値とそれをとる値を求めなさい。(4点)

(2)方程式f(x)=0の解を求めなさい。(4点)

(3)不等式f(x)≤0を解きなさい。(8点)


解答・解説

第1問 対数の評価と部分積分

(1)

\(g(x)=x-1-\log x\) とおく。\(g'(x)=(x-1)/x\) より1の前で減少、後で増加。最小値は \(g(1)=0\)。

\[ \boxed{\log x\le x-1,\quad\text{等号は }x=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(f'(x)=(1-\log x)/x^2\)。\(1<e<9\) なので、定義域内でeの前は増加、後は減少。

\[ \boxed{\max f=\frac1e,\quad x=e} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

部分積分により原始関数は \(-(\log x+1)/x\)。上下端を代入する。

\[ \boxed{1-\frac{\log9+1}{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 合同な2円の交点と共通弦

(1)

PもQもOとAから等距離なので、OAの垂直二等分線上にある。横座標は \(\frac{9}{2}\)。直角三角形で三平方の定理を使って高さを求める。

\[ \boxed{P=(\frac{9}{2},\frac{9}{2}\sqrt{3}),\quad Q=(\frac{9}{2},-\frac{9}{2}\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

PQは縦の線分なのでy座標の差をとる。

\[ \boxed{9\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

底辺OAと高さPのy座標を掛けて2で割る。

\[ \boxed{\frac{81}{4}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=9(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(9\) なので \(a_{n+1}-a_n=9^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{9^n-1}{8}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(9-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{9(9^n-1)-8n}{64}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=9a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-9a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-9)^2+y^2=4((x+9)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+15)^2+y^2=144} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

原点から中心までの距離は \(45/3\)、半径は \(36/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=27\ (z=-27),\quad\min|z|=3\ (z=-3)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-9w|=2|1+9w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{5}{27})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{16}{729}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{9}=133496\)。全割当ては \(9!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{16687}{45360}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/9\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 二次関数の頂点・解・不等式

(1)

\(f(x)=(x-9)^2-9\)。平方は非負なので頂点で最小になる。

\[ \boxed{\min f=-9,\quad x=9} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\((x-9)^2=9\) より、平方根の正負を両方とる。

\[ \boxed{x=9\pm\sqrt{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

上に開く放物線の値が非正になるのは、2つの零点の間(端点を含む)である。

\[ \boxed{9-\sqrt{9}\le x\le 9+\sqrt{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。