中央大学 文系・数学IIまで 数学記述模試 第008回
この回のテストポイント
- 第1問:線分上の点と内積・最大最小
- 第2問:完全順列の漸化式と固定点
- 第3問:逆数で線形化し差を足す
- 第4問:データの変換と分散
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 線分上の点と内積・最大最小(25点)
\(O(0,0),B(10,0),C(0,5)\) とする。Pは線分BC上を動く。
(1)Pを1つの実数パラメータで表し、その範囲を示しなさい。(7点)
(2)距離OPが最小になる点と最小距離を求めなさい。垂直性も確認しなさい。(7点)
(3)Pから2つの座標軸に垂線を下ろして作る長方形の面積の最大値を求めなさい。(11点)
第2問 完全順列の漸化式と固定点(25点)
\(5\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。
(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(7点)
(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(7点)
(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(11点)
第3問 逆数で線形化し差を足す(25点)
で数列を定める。
(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(7点)
(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(7点)
(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(11点)
第4問 データの変換と分散(25点)
5個のデータは \(3,4,5,6,7\) である。分散は偏差の2乗の平均で定義する。各データxをy=2x+3に変換する。
(1)元のデータの平均・分散を求めなさい。(7点)
(2)変換後の平均・分散を求めなさい。(7点)
(3)元のデータと変換後のデータの相関係数を求め、符号の理由を説明しなさい。(11点)
解答・解説
第1問 線分上の点と内積・最大最小
(1)
\(P=(1-t)B+tC\) とおく。線分上なので \(0\le t\le1\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
。最小のtは区間内にあり、\(\overrightarrow{BC}=(-10,5)\) とOPの内積は0。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
長方形の面積は
。端点では面積0、内部の頂点で最大。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。
第2問 完全順列の漸化式と固定点
(1)
1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{5}=44\)。全割当ては \(5!\) 通り。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/5\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。
第3問 逆数で線形化し差を足す
(1)
初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
漸化式から
。和をとると中間の項が消える。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。
第4問 データの変換と分散
(1)
平均は中央の \(5\)。偏差は −2,−1,0,1,2 なので2乗和を5で割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
平均は同じ一次式で変換され、各偏差は2倍になる。偏差の2乗の平均は4倍になる。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
共分散は元の分散の2倍。標準偏差の積も元の分散の2倍であり、正の傾きの完全な直線関係となる。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。