正の式を利用した不等式の証明


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注意事項


第1問 基礎(10点)

x > -1 とする。

\[ t=x+1 \]

とおく。

次の問いに答えよ。

  1. t の符号を答えよ。(4点)
  2. 次の式を t を用いて表せ。(6点)
    \[ \frac{x+1}{2}+\frac{2}{x+1} \]

第2問 標準(20点)

x > -1 のとき、次の不等式を証明せよ。

\[ \frac{x+1}{2}+\frac{2}{x+1}\ge 2 \]

第3問 応用(20点)

第2問の不等式について、次の問いに答えよ。

  1. 等号が成立する x の値を求めよ。(10点)
  2. x > -1 という条件が必要である理由を説明せよ。(10点)

ドリル練習

次の不等式を証明し、等号成立条件も答えよ。

練習1

a>0 のとき、

\[ \frac{a}{3}+\frac{3}{a}\ge 2 \]

を証明せよ。

練習2

y>2 のとき、

\[ \frac{y-2}{4}+\frac{4}{y-2}\ge 2 \]

を証明せよ。

練習3

m>-3 のとき、

\[ \frac{m+3}{5}+\frac{5}{m+3}\ge 2 \]

を証明せよ。


解答

第1問

  1. x > -1 より、
    \[ x+1>0 \]
    したがって、
    \[ t>0 \]
    2.
    \[ \frac{x+1}{2}+\frac{2}{x+1} = \frac{t}{2}+\frac{2}{t} \]

第2問

t=x+1 とおく。

x>-1 より、

\[ t>0 \]

である。

証明したい式は、

\[ \frac{t}{2}+\frac{2}{t}\ge 2 \]

と書ける。

左辺から右辺を引くと、

\[ \frac{t}{2}+\frac{2}{t}-2 \]

である。

通分すると、

\[ \frac{t}{2}+\frac{2}{t}-2 = \frac{t^2+4-4t}{2t} \]

よって、

\[ \frac{t^2+4-4t}{2t} = \frac{(t-2)^2}{2t} \]

ここで、

\[ (t-2)^2\ge 0 \]

かつ、

\[ 2t>0 \]

である。

したがって、

\[ \frac{(t-2)^2}{2t}\ge 0 \]

よって、

\[ \frac{t}{2}+\frac{2}{t}-2\ge 0 \]

すなわち、

\[ \frac{t}{2}+\frac{2}{t}\ge 2 \]

したがって、

\[ \frac{x+1}{2}+\frac{2}{x+1}\ge 2 \]

が成り立つ。


第3問

  1. 等号が成立するのは、
    \[ (t-2)^2=0 \]
    のときである。 したがって、
    \[ t=2 \]
    である。 t=x+1 より、
    \[ x+1=2 \]
    したがって、
    \[ x=1 \]
  2. この証明では分母に 2t が現れる。 t=x+1 なので、x>-1 のときだけ
    \[ t>0 \]
    となり、
    \[ 2t>0 \]
    が保証される。 もし x+1<0 なら、分母が負になり、同じ結論が成り立たないことがある。 実際、例えば x=-2 のとき、
    \[ x+1=-1 \]
    なので、
    \[ \frac{x+1}{2}+\frac{2}{x+1} = \frac{-1}{2}+\frac{2}{-1} = -\frac{5}{2} \]
    となり、
    \[ -\frac{5}{2}\ge 2 \]
    は成り立たない。 したがって、x>-1 という条件が必要である。

ドリル練習の答え

練習1

左辺から右辺を引くと、

\[ \frac{a}{3}+\frac{3}{a}-2 = \frac{a^2-6a+9}{3a} = \frac{(a-3)^2}{3a} \]

a>0 より 3a>0 であり、

\[ (a-3)^2\ge 0 \]

なので、

\[ \frac{(a-3)^2}{3a}\ge 0 \]

したがって、

\[ \frac{a}{3}+\frac{3}{a}\ge 2 \]

が成り立つ。

等号成立は、

\[ a=3 \]

のときである。

練習2

t=y-2 とおく。

y>2 より、

\[ t>0 \]

である。

左辺から右辺を引くと、

\[ \frac{t}{4}+\frac{4}{t}-2 = \frac{t^2-8t+16}{4t} = \frac{(t-4)^2}{4t} \]

t>0 より 4t>0 であり、

\[ (t-4)^2\ge 0 \]

なので、不等式は成り立つ。

等号成立は、

\[ t=4 \]

のときである。

したがって、

\[ y-2=4 \]

より、

\[ y=6 \]

である。

練習3

t=m+3 とおく。

m>-3 より、

\[ t>0 \]

である。

左辺から右辺を引くと、

\[ \frac{t}{5}+\frac{5}{t}-2 = \frac{t^2-10t+25}{5t} = \frac{(t-5)^2}{5t} \]

t>0 より 5t>0 であり、

\[ (t-5)^2\ge 0 \]

なので、不等式は成り立つ。

等号成立は、

\[ t=5 \]

のときである。

したがって、

\[ m+3=5 \]

より、

\[ m=2 \]

である。


解説

この問題のポイントは、

\[ x+1 \]

をひとまとまりとして見ることである。

t=x+1 とおけば、式は

\[ \frac{t}{2}+\frac{2}{t} \]

となる。

ここで t>0 であることを確認してから、

\[ \frac{t}{2}+\frac{2}{t}-2 = \frac{(t-2)^2}{2t} \]

と変形する。

平方は常に 0 以上であり、分母も正であるため、不等式が証明できる。

等号成立条件は、平方部分が 0 になるときである。