整数の証明 | n³−n は常に6の倍数
要約
任意の整数 $n$ に対して、$n^3 - n$ は必ず6で割り切れる。 因数分解と「連続する3整数の積」の性質を使って証明できる。
1. 基本知識
因数分解
$$ n^3 - n = n(n^2 - 1) = n(n-1)(n+1) = (n-1)\,n\,(n+1) $$
$(n-1),\, n,\, (n+1)$ は連続する3つの整数である。
2. 重要ポイント
- 連続する3整数のうち、少なくとも1つは 2の倍数
- 連続する3整数のうち、ちょうど1つは 3の倍数
- $\gcd(2, 3) = 1$ より、積は $2 \times 3 = 6$ の倍数
3. 証明
2で割り切れること
$(n-1)$ と $n$ は連続する整数なので、一方は必ず偶数。よって
$$ 2 \mid (n-1)\,n\,(n+1) $$
3で割り切れること
任意の整数 $n$ は $n \equiv 0,\, 1,\, 2 \pmod{3}$ のいずれかである。
| $n \bmod 3$ | 3の倍数となる項 | |:-----------:|:--------------:| | $0$ | $n$ | | $1$ | $n - 1$ | | $2$ | $n + 1$ |
いずれの場合も積の中に3の倍数が存在するので
$$ 3 \mid (n-1)\,n\,(n+1) $$
結論
$\gcd(2, 3) = 1$ より
$$ 6 \mid (n-1)\,n\,(n+1) = n^3 - n \qquad \blacksquare $$
4. よくある間違い
- $n$ が正整数のみと仮定してしまう($n$ は任意の整数、負やゼロも含む)
- 2と3で個別に割り切れることを示さず、いきなり6で割り切れると結論づける
5. 別解:場合分け
$n$ を3で割った余りで分類する。
場合 1: $n = 3k$
$$ n^3 - n = 3k(3k-1)(3k+1) $$
$3k$ は6の倍数を含む($3k \cdot (3k-1)(3k+1)$ で $(3k-1)(3k+1)$ は連続する偶奇なので積は偶数)。 よって $6 \mid n^3 - n$。
場合 2: $n = 3k+1$
$$ n^3 - n = 3k(3k+1)(3k+2) $$
$3k$ は3の倍数、$(3k)(3k+2)$ は連続する偶奇を含む偶数。よって $6 \mid n^3 - n$。
場合 3: $n = 3k+2$
$$ n^3 - n = (3k+1)(3k+2)(3k+3) = 3(k+1)(3k+1)(3k+2) $$
$(3k+1)(3k+2)$ は連続する整数なので一方が偶数。よって $6 \mid n^3 - n$。
6. 確認問題
(1)$n = -4$ のとき、$n^3 - n$ を計算し、6で割り切れることを確認しなさい。
(2)$n^3 - n$ が6で割り切れることを利用して、$n^3$ を6で割った余りは $n$ を6で割った余りに等しいことを示しなさい。
7. 解答・解説
(1)
$$ (-4)^3 - (-4) = -64 + 4 = -60 = 6 \times (-10) \quad \checkmark $$
(2)
$n^3 - n$ が6の倍数なので $n^3 \equiv n \pmod{6}$。
8. まとめ
$n^3 - n = (n-1)\,n\,(n+1)$ と因数分解することで、連続3整数の積の性質から6の倍数であることが証明できる。